ホテル客室清掃を行っております株式会社tokonatsuの松本と申します。
この記事を読んでいただくことによって、現在のホテル客室清掃の料金相場が分かります。
これから客室清掃を清掃会社に委託しようと考えていらっしゃる方には、客室清掃を外注するメリット・デメリットを理解していただけるような内容になっています。
当社の事務所は東京都台東区にあるのですが、歩いていると非常にたくさんの建設中のホテルを目にします。ホテルが本当に乱立している状況です。
この乱立した際に選ばれるホテルとなるためには、客室清掃が非常に大切な項目になってきます。そこで、本当に良い清掃業者を選ぶということが非常に大切になってくる中で、客室清掃料金は最も気になるところかと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
ホテル客室清掃を委託した際の基本料金項目
ホテル客室清掃を清掃会社に委託した場合、かかる基本的な料金項目は以下のようになっています。
- 部屋単価
- チェッカー手当(客室清掃終了後の点検業務が必要であれば)
- 責任者手当・管理者手当(客室清掃管理を行う場合)
- 付帯作業
- 共有部・定期清掃
- 他
付帯作業とは例えば、嘔吐物が部屋にあればその処理(客室清掃時に1回いくらという料金が発生)を行うことや、客室清掃に入った時に香水の匂いが非常に強い場合のオゾン処理をした場合に発生する追加の業務のことです。
またホテル様との話し合いの中で、日常の客室清掃では手が届かないエアコンのフィルターや窓のフィルター、高所の埃取りなど行う場合には定期清掃の料金が発生します。
ホテル客室清掃を委託した際の料金相場【2025年最新単価】
客室清掃の部屋単価はホテルによって大きく変わります。
築年数、アメニティの数、部屋数、ベッドメイキングの複雑さによりますが、基本的な客室清掃の料金相場は以下の通りです。
ホテルタイプ | 1室あたりの相場料金 |
---|---|
ビジネスホテル | 800円〜1,000円 |
シティーホテル | 900円〜1,500円 |
ラグジュアリー | 2,500円〜5,000円 |
小規模ホテル/民泊 | 1,500円〜6,000円 |
料金目安としては下記です。
20分程度のコンパクトな部屋の単価:800円〜1,000円
30分の客室清掃の部屋単価:その1.5倍(1,200円〜1,500円)
40分の客室清掃の部屋単価:2倍程度(1,600円〜2,000円)
部屋数が少ないホテルや、アパートメントタイプ(キッチンや洗濯機がある客室清掃)に関してはプラスで料金がかかることがあります。
客室清掃の部屋単価に含まれるモノ
客室清掃料金の中には、客室清掃スタッフの採用、求人、給料、教育、交通費、社会保険や労働保険、ホテルさんとの話し合いによっては清掃資機材、事務処理、報告業務など全てが含まれております。
そのため、紹介している客室清掃料金の相場を大きく下回るような見積もりを出してくる清掃会社については、少し注意が必要です。
ホテル客室清掃を清掃会社に委託するメリット
ホテルの客室清掃を清掃会社に委託するメリットを3つ紹介します。
教育・採用コストの削減
客室清掃を清掃会社に委託することで、人材の教育や人材の採用、管理のコストや手間がかからなくなります。これは客室清掃委託の大きなメリットの一つです。
ホテル店舗展開のスピードアップ
ホテルを大きく展開していこうと思うと、客室清掃まで全部自社でやっているとスピード感が出ません。客室清掃を外注することでスピード感が上がり、リソースを別のところに集中できます。
専門性による客室清掃品質とスピードの向上
ホテルの客室清掃は本当に専門職で、非常に難しいものです。客室清掃は品質とスピード、この2つが合わさっていないとダメな業務です。清掃会社に委託することで、高品質な客室清掃とスピードを獲得できます。
ホテル客室清掃を清掃会社に委託するデメリット
ホテルの客室清掃を清掃会社に委託するデメリット・リスクを3つ紹介します。
清掃コストの上昇
自社で客室清掃していた時よりも、客室清掃料金が上がります。ただし一部、清掃の効率性が悪く無駄に人件費をかけている場合があり、その際はコストは削減できることもあります。
清掃業務の柔軟性が失われる
ホテルの清掃会社は請負契約になっています。基本的には客室清掃の業務内容を契約書や仕様書の中に定めておいて、「ここまでの客室清掃をやるからこの料金をください」という契約です。
自社で客室清掃スタッフを抱えてやっている場合は、「あれやって、これやって」という柔軟性がありますが、清掃会社に契約外の清掃範囲の指示を出しても契約外で、すぐすぐやってもらえないというデメリットはあります。
不法外国人を雇用している可能性
客室清掃を請け負う清掃会社はたくさんありますが、その中にはあまり良くない会社があります。海外の方を雇用している清掃会社で、在留資格がなかったり、就労許可が切れていたりする清掃会社を入れてしまうと、法的な問題を抱えるリスクがあります。
良いホテル客室清掃会社の選び方【3つのポイント】
良いホテルの清掃会社を選定する際に見るべき基準に関して解説をしていきます。
客室清掃の仕様書が明確かどうか
客室清掃の仕様書をしっかり作れる清掃会社かどうかが重要な基準になります。
清掃会社は仕様書に載っていることをベースに、客室清掃の手順や清掃箇所をしっかり教育担当が理解し、それをマニュアルや動画などの教育教材に落とし込んでいます。
仕様書が作れない清掃会社は、自分の感覚で人に物を教えたり、客室清掃の範囲を決めたりするため、教育担当やスタッフ、管理者によって客室清掃の品質や業務範囲にムラが出てしまいます。
清掃スタッフの教育体制があるか
未経験のスタッフでも家事の延長で表面上の清掃できはするので、教育体制がなくすぐに現場で業務をさせる清掃会社もありますが、「髪の毛1本だめ」という清掃基準をすり込ませる必要があります。
水回り一つとっても、ベッドメイク一つとっても、客室清掃一つとっても、本当にたくさんのやり方があります。色々な効率的なやり方、知識、経験が客室清掃品質の均一化やスピードの向上に寄与していきます。
巡回体制があるか
人間がやることですから、現場を任せっきりにして巡回をしていないと、少しずつ客室清掃の品質が変わってきてしまいます。気持ちの面でもモチベーションが保てなかったり、外からの指摘がないとなかなか気づけないこともあります。
客室清掃の巡回担当が定期的に巡回をしている体制がある清掃会社は、ルールと規律が現場でもしっかり守られ、第三者である本部からの意見や指摘が入ることで、客室清掃の品質が安定していきます。
ホテル客室清掃を委託した際の料金相場と清掃会社選びのポイント
今回の記事が、現在の客室清掃料金の相場感の参考になれば幸いです。また、客室清掃を外注する清掃会社を選ぶ際の基準として参考にしていただければと思います。
ホテル客室清掃の委託を検討される際は、単純に客室清掃料金の安さだけで清掃会社を選ぶのではなく、教育体制や巡回体制、客室清掃の仕様書の明確性などを総合的に判断することが重要です。
適切な清掃会社を選ぶことで、高品質な客室清掃の実現とホテルの効率的な運営を両立できるでしょう。